家康が愛した駿府こと静岡市。駿府城から広大な遠州灘と雄大な富士山が眺められる久能山東照宮へ、そして出世城の浜松市を巡る

大河ドラマ「どうする家康」では、ドラマの大半の舞台は静岡県の地が登場します。

そのため大河ドラマ館も静岡市と浜松市で二館あります。

浜松は家康公が29歳に岡崎城から遠江を支配するために、築城した浜松城を拠点としました。

家そして家康公が晩年に過ごしたのが駿府城です。家康公は死後、亡骸は駿府城の南東にある久能山に葬られ、神として祀られて東照宮となりました。

各ドラマ館と静岡県の家康公と由緒のある場所を辿ってみました。

静岡駅の前にある久能山東照宮の石碑・静岡市

静岡市の中心にある浅間神社と駿府城

静岡の大河ドラマ館は、静岡駅から北へ行くと駿河国総社の浅間神社内にあります。

浅間神社・静岡市

地元では「せんげん」神社と呼ばれていますが、この神社は神部神社と大歳御祖神社、浅間神社の3社が祀られています。こちらの浅間は「あさま」となり、ちょっと混同してしまいそうです。

どうする家康 静岡 大河ドラマ館・静岡市

ドラマ館は青で統一され、海をイメージしているようです。

どうする家康 静岡 大河ドラマ館・静岡市

館内はコンパクトですが、映像での解説や劇内で使用された装束の展示など、ドラマの人間関係図もあり思い返すには最適な内容でした。

どうする家康 静岡 大河ドラマ館・静岡市

ドラマは戦国武将総出演だったので、それぞれの人物の深掘りはまだまだ楽しめそうです。

浅間神社の商店街の鳥居・静岡市

浅間神社から商店街を抜けて駿府城公園へと向かいます。

プラモニュメント・静岡市

静岡市はタミヤ・バンダイの工場があり、世界随一のプラモ生産を誇ります。街にはプラモニュメントが多数設置されていますので、探してみるのも良いでしょう。

駿府城公園・静岡市

家康が晩年を過ごした駿府城。今は公園となって櫓がありますが、明治時代に大半の城郭は破壊され陸軍基地となりました。戦後に復興され平成元年に巽櫓、平成26年に坤櫓が復元されました。また、天守台発掘も行われ家康の城はその姿を取り戻しつつあります。

静岡市博物館・静岡市

近くには静岡市の歴史が分かる静岡市博物館があります。2023年1月13日開館と最新の博物館です。

静岡市博物館・静岡市

一階には家康の時代に作られた道の跡を発掘した状態で展示されています。常設展示では家康公と駿府城の解説が展示されています。

しずおか周遊得々割引券

ちなみに大河ドラマ館と静岡市博物館に入場すると、静岡市内の観光で使える「しずおか周遊得々割引券」が貰えます。

しずおか周遊得々割引券

特に久能山へ行く場合は静鉄バス・久能山ロープウェイ・久能山東照宮拝観券セットが通常大人2630円が半額の1310円となる大盤振る舞いが受けれます。

他にも駿府城公園内の3施設とお堀の遊覧船も半額となるので、大河ドラマ館の会期中は二つの施設を回るのがおすすめです。

天空の墓所、久能山東照宮

久能山へは前述の割引券を使って静岡鉄道の新静岡駅かJRの静岡駅から、日本平ロープウェイへ直通するバスがオススメです。ロープウェイは夕方には運行が終わりバスも終了するので、滞在時間を確認しておきましょう。

日本平ロープウェイ・静岡市

ロープウェイからの空中遊覧中は太平洋がよく見えます。

久能山東照宮・静岡市

拝観料を払って階段を登って楼門を潜ります。

久能山東照宮・静岡市

東照宮から始まった権現造りの社殿は元和3年(1617)に完成し、平成の大修理により平成22年に国宝に指定されました。桃山様式の豪華絢爛な作りで、様々な細工が施されています。

久能山東照宮・静岡市

本殿は中央に家康公、左手に織田信長公、右手に豊臣秀吉公が祀られています。元々は左右に仏像が配置されていましたが、明治時代の廃仏毀釈により信長・秀吉公に代えられたそうです。

戦国武将3傑が祀られているのはここだけだそうです。

久能山東照宮・静岡市

欄間には中国の説話をモチーフにしたものが多く、それぞれ家康公の人柄を表しています。

久能山東照宮・静岡市

社殿を抜けると家康が埋葬されている巨大な石でてきた神廟に着きます。当初は小さな祠でしたが3代将軍家光により作り替えられました。神廟を構成する3つの大きな石はそれぞれ一つの大石から彫り出されているため繋ぎ目がなく、またどうやってここまで運んだのかよく分からないほどの大きさで、当時の技術の凄さを知らしめる代物です。

久能山東照宮・静岡市

家康公の遺体は西に向かって埋葬されていると伝えられ、理由は豊臣の残党軍に睨みを利かすためとか諸説様々。死後も国家の安泰を願っていたのでしょう。

久能山東照宮・静岡市

神廟の隣にあるのが金のなる木。家康公は質素倹約を好み残した資産は莫大なものでした。木の由来はいろいろ言われていますが、戦国時代を終わらせ戦のない江戸時代を築いた家康公の人柄に接すことができると思います。

久能山東照宮・静岡市

隣接する博物館には家康公縁の品が多数残されており、その中でも西洋時計はスペイン国王から送られたもので、16世紀の時計として現存する唯一のものだそうです。写真はレプリカですが、館内に実物が展示されています。

また、徳川家16代将軍全ての甲冑があるのもこの博物館だけです。

久能山東照宮・静岡市

太平洋が一望できる展望台から夕日を眺めると、家康公がここに埋葬してほしいという気持ちがよく分かります。家康を祀るのは日光東照宮の方が有名ですが、家康本人がいるとされる久能山の方が御利益を感じると思いました。

日本平夢テラス・静岡市

ロープウェイで戻ってバスに乗る前には、富士山が一望できる日本平夢テラスで空中散歩をしましょう。ここから富士山が真正面に見え、天気が良いと伊豆の方まで一望できます。

日本平夢テラス・静岡市

家康公が愛した駿府は富士山と太平洋を両方見れる素晴らしい土地でした。温暖で食も素晴らしく晩年を過ごすにはもってこいの場所でしょう。家康の生き様が理解できたようでした。

家康の基礎を築いた出世城、浜松城と秀吉との接点

静岡県には浜松にも大河ドラマ館があり、家康公が29歳に岡崎城から遠江を支配するために築城した浜松城にあります。

家康公が築城してから浜松城を離れた17年の間は、最強の騎馬軍団を率いた武田軍との三方ヶ原・説楽原の戦い、天下統一を目指す秀吉軍と衝突した小牧・長久手の戦いでの重要な戦の拠点でした。

また初めの正妻だった瀬名の自害と長男信康を切腹させる激動の時代でした。

浜松大河ドラマ館・浜松市

浜松城の麓にある大河ドラマ館。漆黒の壁が威厳を感じさせます。

浜松大河ドラマ館・浜松市

大河ドラマ館内では家康公と瀬名の衣装が展示されており、二人の物語が物語の核心となるのでした。

浜松大河ドラマ館・浜松市

大河ドラマの舞台セットで使われたはね上げ門が複製品で再現されており、他にも実際にスタジオで撮影に使われたセットも展示されています。

浜松大河ドラマ館・浜松市

映像コンテンツも多く、浜松市の史跡も紹介されています。

大河ドラマは終了しましたが、改めて家康公が簡単に天下を掠め取ったのではない、苦悩の連続の上での泰平の世を築いたのが分かる内容でした。

浜松大河ドラマ館・浜松市

浜松城は明治維新後に取り壊され、昭和33年に天守閣が再建されました。元の浜松城は分からない事が多く、ドラマ館の隣には発掘された石垣が展示されています。

元城町東照宮・浜松市

浜松城の近くには、浜松城の前にあった引間城の後に創建された元城町東照宮に、家康公と秀吉公の銅像が設置されています。引間城に秀吉公が幼少の頃に訪れたとされ、家康公がこの地に城を築いたことから浜松が出世の街といわれるようになりました。

「どうする家康」大河ドラマ館は、浜松が2024年1月14日(日)、静岡が2024年1月28日(日)までになっています。家康公が築いた静岡県を巡る良い機会となるでしょう。

どうする家康 静岡 大河ドラマ館

場所 静岡市葵区宮ケ崎町102(静岡浅間神社内)

期間 2023年1月27日(金)〜2024年1月28日(日)

休館日 なし(予定)

開館時間 9:00〜18:00(最終入館17:30)

どうする家康 浜松 大河ドラマ館

場所 浜松市中区元城町102-1(浜松城東)

期間 2023年3月18日(土)〜2024年1月14日(日)

休館日 なし

開館時間 10:00~18:00(最終入場17:30)※年末年始は営業時間を変更しています

久能山東照宮

場所 静岡県静岡市駿河区根古屋390