出版物からゲーム文化を考察する「CONTINUE2」

城陽市歴史民族資料館の令和4年夏季特別展では、大好評だった2018年に開催された現代ゲーム機の展示「CONTINUE」の続編となる、「CONTINUE2」が開催されています。

前回はアーケード・家庭用といったゲーム機大集合の展示でしたが、今回はゲームが登場してそれにまつわる出版物をテーマに、世相を表す様々な貴重な資料が展示されています。

日本のデジタル世代の黎明期となる、マイコンと呼ばれたプログラミング機の登場から、ファミコン誕生による家庭ゲーム機の発展を共に過ごした今の4〜50代世代を直撃する、また若い世代でもレトロゲームとして懐かしさから現代へ至る歴史が走馬灯の様に見れる品々が展示されています。

町のおもちゃ屋さんに並んだゲーム機

資料館入り口には当時のオモチャ屋さんのように、当時を知る人にとっては感涙モノのレトロゲーム機達がお店の様に並んでいます。

ゲーム&ウォッチの下に並ぶ初期の小型ゲーム機は、ゲームの内容にあったバラエティに富んだ筐体が特徴でした。

ずらっと並ぶファミコンのソフト達。当時の人気作は入手が難しく、オモチャさんに通っては入荷を尋ねていました。

奥には1983年に発売したSEGA初のマイコン「SC-3000」。家庭用マイコンはMSXが有名ですが、SEGAがそれよりいち早く販売を開始していました。米国で1976年に発売された「Apple1」の日本版と言えましょう。

さて展示会場に入ってみましょう。

発展するゲーム市場に合わせた雑誌

展示ケースの中はまさに1980〜1990年代にタイムスリップしたかのような品々が並びますが、ゲーム機と並行して出版された雑誌が今回の展示テーマです。

マイコンとそれを動かすプログラミングが紹介されている書籍や雑誌。プログラム言語といった専門用語が一般的になったのはマイコンブームが始まりと言われ、紹介されている簡単なプログラミングから自ら複雑なブログラムを組んでステップアップし、アーケードゲームの様なゲームを家庭で動かす事が一種のステータスでした。

家庭用ゲーム機の最大の革新は、1983年に任天堂から発売された「ファミリーコンピュータ」で、瞬く間に大ヒットし様々なゲームタイトルが発売されました。
そうしたソフトを攻略する書籍(攻略本)が発売され、そして定期刊行誌として登場したのが1986年の「ファミコン通信(現ファミ通)」が出版されました。拡大するゲーム市場に他メーカーが多数参入し、発売されるハードに合わせて雑誌も多数出版され、本屋さんの棚には多数のゲーム誌が並ぶようになりました。

携帯ゲーム機が発売されると、これも専門誌が発売されました。こうしたゲーム機は今のスマホゲームにとって代わりました。

2000年代に入ると国内外のゲーム機が数多く発売され、百花乱舞の様相になります。市場競争により消えていくハードもある中に、当時としては珍しいヴァーチャル機器や通信機能を持つのも現れ、それらは今の技術に繋がっていきます。

この展示会の前に死去が公にされた、SEGAのドリームキャストを宣伝された湯川専務の姿もあります。

ゲーム機の影響が現れた出版物

大ブームとなり子供達に定着したゲーム機は、社会的影響を与える様になり、「小学○年生」といった教育誌にも登場しました。

ゲーム機と共に最新のデジダル技術として、1983年にセイコーから発売された世界初のテレビが見れる腕時計「テレビウォッチ」といった物も、小学生に紹介されました。今のアップルウォッチにも繋がる、近未来的発想もこの頃には具現化されていたのが驚きです。

様々なゲームソフトが登場し多くの攻略本が発売されましたが、大ヒットしたスーパーマリオブラザーズの攻略本は、関連書籍として今も破られていない約120万部が売れました。

現実や歴史を題材にしたゲームが作られ、京都は観光・歴史の面で題材に取り上げられやすく、そうしたゲームと攻略本が作られました。ゲーム黎明期の「平安京エイリアン」や、大ヒットしたポケットモンスターは近畿地方をベースに世界観が作られたと言われます。

マンガにも題材として取り上げられ、ゲーム対決をする「ゲームセンターあらし」が少年誌で連載され大ヒットし、類似マンガが多数掲載されました。実在の人物がマンガの主人公となった高橋名人も、社会的に大きな影響を与えました。

ゲームの発展と変わりゆく風景

こうしたゲームと出版物の関係はゲーム機の元祖と言われるインベーダーゲームから始まり、その攻略本も翌年に誕生しました。

これがゲーム攻略本の祖である「インベーダー攻略法」。この頃から論理的に攻略法が考案される様になりました。

ゲーム攻略本は一般出版を通さない同人誌でも多数制作され、アーケードゲームの大ヒットタイトルだっゼビウスの同人攻略本「ゼビウス10000000点への解決」は、アーケードゲームのシューティングゲームのハイスコア競争の発端となり、後のゲームでも様々な攻略法が編み出され、それに伴い専門誌も発刊される様になりました。

ゲームは論説誌にも掲載され、社会に及ぼした影響が論ぜられる様にもなりました。ゲームが社会において当たり前になり、世代を超えて楽しまれる様になりました。

現代になりゲーム雑誌はインターネットや本屋の減少により、買うことも少なくなりました。また街にあったゲームセンターもスマホを介したネットワークゲームが主流となり、両方とも消えつつあります。

ゲーム機の発展を通して、急激に進むデジタル社会の変革を実感できる展示でした。

CONTINUE2-ゲームの書籍と文化-

会期

令和4年7月9日(土)~9月4日(日)
ただし、7月11・19・20・25日、8月1・8・12・15・22・29日は休館

会場

城陽市歴史民俗資料館(五里ごり館) 特別展示室

〒610-0121 京都府城陽市寺田今堀1番地(文化パルク城陽西館4階)
TEL:0774-55-7611
FAX:0774-55-7612

開館時間

10:00~17:00まで(入館は16:30まで)

料金

種類 おとな 小・中学生 
 個人200円100円
 団体観覧(20名様以上)160円80円
 プラネタリウムとの共通観覧の場合(個人)140円70円
 プラネタリウムとの共通観覧の場合(団体)110円50円
 ただし、次の方は無料観覧できます。
・城陽市在住の小・中学生・城陽市在住の65歳以上の方・城陽市在住の身体障害者手帳、
精神障害者保健福祉手帳、療育手帳、被爆者健康手帳、
特定疾患医療受給者証または特定疾患登録証をお持ちの方及び介護される方1名・
城陽市外の小・中学生の団体観覧(ただし、児童・生徒に限る)
 無料 無料

※展示最終日の9月4日(日)は観覧無料になります。