だんじり祭りで街の熱さを感じ取れる岸和田。城下町と自然も楽しめる博物館巡り

だんじり祭りで有名な大阪府岸和田市は、岸和田城を中心とした城下町の地域で、紀州街道沿いの昔の街並みを残している見どころ多い街です。また見学には岸和田城・岸和田だんじり会館・きしわだ自然博物館と三つの博物館施設があり、3館共通券だとおとな700円で入館できます。

岸和田城

重森三玲の八陣の庭がある岸和田城

岸和田城

岸和田城は正確な築城時期は不明ですが、戦国時代に泉州を支配していた松浦氏の居城となり、後に豊臣秀吉の叔父にあたる小出秀政によって城郭として整備されました。江戸時代に岡部宣勝が初代藩主となり、明治まで岡部氏が統治しました。

岸和田城

岸和田藩は五万三千石でしたが、城郭は三十万石の規模を誇り、城前には紀州街道が南北に貫き、大坂と和歌山の中継地として栄えました。

岸和田城

天守閣は資料からは5層だったようですが、文政10年(1827)に落雷による火災で焼失し、その後は再建されませんでした。

天守からの展望は大阪湾から金剛山地が一望でき、天気が良いと淡路島まで見れました。

岸和田城

館内には江戸時代の籠が展示されています。以前は乗れたようですが、今は一部破損していて乗れません。

明治になり岸和田城も廃城となり伏見城から移築されたといわている伏見櫓といった建物は全て壊され、現在の石垣と堀を残すのみでした。

しかし、昭和29年に市民の要望から再建され、現在の3層の天守閣となり、当初は図書館として利用されました。

岸和田城

城の前には昭和28年に作庭家の重森三玲氏により八陣の庭が設計・作庭されました。三国志の諸葛孔明からインスピレーションを得て、3段の基壇に中心に大将の岩を置いて八陣法をイメージして作られました。

岸和田城

重森氏の作庭は従来の自然調和とアートとしての意味を待たせることを目指しました。従来の一方向から庭園を鑑賞するのではなく、周囲を回って見ることができ、尚且つ城から垂直に見ることによって、庭全体が把握することができる、庭を立体的に見せる作りでした。

八陣の庭は国内外から評価されて、平成26年に国の名勝に指定されました。

観光交流センター・岸和田市

岸和田城の西側には観光交流センターがあり、ここでは岸和田レンガの説明があります。は明治時代に入り各国の軍事緊張が高まり、日本国内への侵略に対抗するため、関西では大阪防衛のために淡路島の由良・鳴門・和歌山の加太で砲台の要塞を建造するべく、岸和田レンガなどの泉州のレンガがで大量に生産されました。こうした岸和田レンガは京都でも琵琶湖疏水の伏見へ流れる鴨川運河でも見ることができます。

だんじり祭りをいつでも体験できる岸和田だんじり会館

岸和田だんじり会館

岸和田といえばだんじり祭りですが、祭りの歴史を知ることができるのが岸和田だんじり会館です。令和6年3月3日からリニューアル開館をしました。

岸和田だんじり会館

中ではだんじりを間近で見ることができます。ちなみにこうした山車(だし)は地車と書いて「じぐるま」と呼ぶのが一般的ですが、これを「だんじり」と読むそうです。こうした地車を曳行するお祭りは大坂各地であります。

岸和田だんじり会館

岸和田にある最も古い地車です。この会館に寄贈される前は京都の石匠にあったそうで、京都とのつながりを感じさせます。

岸和田だんじり会館

素晴らしい木彫り細工で、走る芸術品と言われるだんじり祭り対する情熱を伺い知ることが出来ます。

岸和田だんじり会館

その他にも印半纏(しるしばんてん)や、

岸和田だんじり会館

祭りの幟といった、祭礼に欠かせない展示品が多数見ることができます。

岸和田だんじり会館

岸和田でだんじり祭りが始まったのは、元禄16年(1703年)に岸和田城の三の丸に京都から稲荷社を勧請したのが始まりとされています。それから祭りの規模が拡大し、明治時代に今の祭礼になったそうです。

紀州街道の街並みから、たくさんの動物に会える岸和田しぜん資料館へ

紀州街道・岸和田市

岸和田城の西側に南北に通る紀州街道は、江戸時代の街並みが維持されており、とても歴史情緒を感じれます。この街道をだんじりが走ります。

紀州街道・岸和田市

本瓦葺き・中二階・出格子の町家も多く残されています。本町のまちなみは地元住民により維持されており、建設省より「手作り郷土賞」を受賞しています。

紀州街道・岸和田市

街道沿いの目安に置かれた一里(約3.9km)塚。こうした江戸時代の街並みを残しているのは、素晴らしいです。

紀州街道・岸和田市

こなから坂との分岐点。だんじり祭りでは宮入のコースでこなから坂を駆け上がって岸和田城に入るのが最大の見せ場となっています。

きしわだ自然資料館

立派な建物が目印となる、元は昭和初期に建てられた旧寺田銀行を再利用したきしわだ自然資料館。

きしわだ自然資料館

2階に上がるとナウマンゾウの化石がお出迎え。

きしわだ自然資料館

館内は3階のフロアに、2階は泉州の自然を紹介がメインで、所狭しと様々な展示品と体験コーナーがあり、子供が楽しめる内容になっています。

きしわだ自然資料館

3階には動物の剥製標本があり、展示されているのは100体以上もあるそうです。シロクマや象にライオンといった大型の動物達だたくさんいます。この博物館はこれら剥製の寄贈がきっかけで設立されました。

岸和田城

だんじり祭りしが知らなかった岸和田の街ですが、城下町として大変栄えていた名残で、とても街歩きが楽しい場所でした。他にも史跡等も多数あるのでまた訪れたいと思いました。

施設案内

岸和田城

場所 岸和田市岸城町9番1号

岸和田だんじり会館

場所 岸和田市本町11-23

きしわだ自然博物館

場所 大阪府岸和田市堺町6番5号