京都と奈良の真ん中を通る城陽の鉄道の変革、「城陽を走った電車」展

かつて昭和3年(1928年)に京都から西大寺間を繋いだ奈良電気鉄道が、昭和38年(1963年)に近畿日本鉄道と合併して今年で60年を記念して、城陽市の城陽市歴史民俗資料館で「城陽を走った電車」が開催されています。

城陽市は近鉄京都線とJR奈良線の二つの路線が通る京都と奈良の中間地点です。この二つの路線は現在とは違う鉄道会社によって開業しました。

特別展示室の主な展示は奈良電と近鉄の歴代車両のパネル展示とNゲージレイアウト。

第二次世界大戦後に奈良電の車両たちは近鉄との合併後も走っていましたが、現在では保存車両がないため当時の写真は貴重ではないでしょうか。

近鉄となってからは他の路線との乗り入れにより京都から奈良・橿原神宮・賢島への観光路線として特急が投入されました。さらに昭和61年(1986年)に京都市営地下鉄の乗り入れにより、車両の種類が増えました。

また修学旅行専用列車「あおぞら号」の展示もあります。

Nゲージレイアウトは8月1日から26日までの期間で事前予約制で、ご自身の持ち込み車両を走らせる事ができます。

廊下にはJR奈良線のパネル展示があります。

JR奈良線の前身の奈良鉄道株式会社は明治22年(1889年)に開業し京都ー伏見間が開通、奈良まで線路を延ばしました。明治38年(1905年)に関西鉄道に譲渡し解散、明治40年(1907年)に国有化されました。

この二つの路線は京都ー奈良間の旅客競争を繰り広げてきましたが、JR奈良線は単線区間が多く電化も遅かったため利用は低迷していました。平成10年(1996年)から複線化工事が始まり、徐々に複線区間が広がり令和5年(2023年)に新田ー城陽間といった3区間と山城青谷駅の改築などで運転環境が大きく改善されてきました。

二つの路線が発展する変革がわかった展示でした。

令和5年度夏季特別展「城陽を走った電車」

会場
城陽市歴史民俗資料館(五里ごり館) 特別展示室

会期
令和5年7月15日(土曜日)から8月27日(日曜日)
ただし、7月18・19・24・31日、8月7・14・15・21日は休館

※最終日8月27日(日曜日)は観覧無料